近年、世界的に大規模な災害が頻発するようになりました。
ここ、日本も例外ではなく、いつ、どこで災害が起こってもおかしくないような状態です。
いざという時に自分や家族の命を守れるように、備えを万全にしておきましょう!
災害によって避難の必要性が生じたときに、最低限必要となる気管切開児のケア物品について紹介します。
☑本記事の内容
- 災害の備えとして、医療的ケア児(気管切開児)が備えておくものが分かる
- 日常的な外出時の持ち出し品としても流用可能
では、目次です!
気管切開児の災害時のリスク
必要な持ち出し品を考えるうえで、まず想定されるリスクをあらかじめ知っておくことが大事だと考えます。
正直、親としてはあまり考えたくない内容ではありますが、必要な備えをピックアップするために一度はピックアップしておきましょう。
精神的なダメージを避けるために、考えられる事象だけでも。
☑気管切開児災害時のリスク
- 吸引器が使用できない
- 吸入器が使用できない
- 体温やSpO2が測定できない
- 気切孔付近の衛生が保てない
- カニューレバンド付近の皮膚の衛生が保てない
- 本人・家族の手指衛生を保つのが困難
こうした状況が長く続くと、深刻な事態を招きかねません。
災害時でも普段と同じようなケアを行い、子どもの健康を保つために、備えておきたい物品をピックアップしていきます。
電源なしで使用可能な吸引器
気管切開をしている医療的ケア児にとって、吸引器はまさに命綱。
災害時に電源の供給がままならない時でも使用可能な吸引器は、お守り代わりに準備しておくと安心です。
ブルークロス社製 手動吸引器
【あす楽】【感謝価格】 手動式吸引器 ブルークロス社製 HA-210 【携帯用】【管理】 価格:2,970円 |
コンパクトに持ち運びができ、電源がいらない吸引器と言えばこれ。
非常に軽くて、持ち運びは楽々です!
ただし、使い方にはちょっとコツが必要。
吸引用のカテーテルを直接吸引瓶につなぎ、ポンプを手動でシュコシュコとするわけなんですが…、ゴムがなかなか固いので、女性はちょっと苦労するかも。
それでも、電源いらずなのはありがたい。
一つは持っておきたい吸引器です。
電動鼻吸吸引器 ベビースマイル
価格:3,848円 |
本来は鼻水用の吸引器。
こちらは単3電池2本で吸引が可能です。
詳しい説明はこちらからどうぞ→「お出かけ時のたん吸引に!「ベビースマイル」」
手動と違ってボタン一つで吸引可能なのがいいですね。
サイズも小さいので、ポーチにも入ります。
ちょっとした買い物や散歩くらいなら、ベビースマイルで大丈夫。
ただ、吸引後の痰を貯めるスペースが小さいので、通水するたびに内容物を捨てないといけません。
外出時のみ吸引カテーテルを使い捨てにするなどすれば、通水の手間は減らせるかもしれません。
吸入器・ネブライザーも電池が使えると便利
痰の状態を良好に保つため、吸入器も欠かせませんよね。
わが家の場合、普段は手入れが楽なコンプレッサー式ネブライザーを使用していますが、外出や災害時用として、メッシュ式ネブライザーも準備しています。
メッシュ式ネブライザーは小型で乾電池でも使用可能なので、持ち出し用に便利です。
オムロン OMRON 公式 ネブライザ NE-U150 ネブライザー吸入器 携帯用 家庭用 喘息 静音 コンパクト 軽量 軽い 簡単操作 送料無料 価格:26,400円 |
赤ちゃんの頃からこちらを使っていますが、音もほとんどしないので重宝します~!
健康管理に!小児用パルスオキシメーター、体温計
医療的ケア児は、特に小さい頃は体調の波が大きく、熱を出したり、肺炎を起こしたりしやすいので、日ごろの体調管理が欠かせません。
災害時だけでなく、毎日の健康チェックのため、パルスオキシメーターや体温計は子ども用のものを用意しておくと安心です。
特にパルスオキシメーターは、普通サイズのものを買ってしまうと、子どもの細い指に反応しないため、小児用か、小児用のアダプターのついたものが必要です。
価格:15,800円 |
こちらは普段息子が使用しているパルスオキシメーターです。
アダプターなしで子どもの指でも測定できるので、いつもお出かけポーチに入れています。
気切孔周囲のケアグッズ
カニューレ、Yガーゼ、カニューレバンド(カニューレホルダー)、人工鼻、手指消毒などなど、
気管切開児のお出かけにはこまごましたケアグッズが必要。
外出用にこれらを準備する時にちょっと気をつけておきたいポイントはこちら。
- カニューレ:ワンサイズ小さめのもの
- カニューレバンド、カニューレホルダー:サイズ調整が可能なもの
- Yガーゼ:1箱分(30枚程度)ストックを作っておく
- 人工鼻:普段から余りをストック
- 手指消毒:使用期限が長く、ノロウイルスにも対応したもの
カニューレはワンサイズ小さい物を入れておこう!
体調が悪くて喉が腫れている時や、
事故抜管で子どもがびっくりして大泣きしてしまっている時、
子どもの帰還や気切孔の入り口は普段よりも狭くなってしまうので、いざという時にさっとカニューレを再挿入してあげられないこともあります。
その間に呼吸が苦しくなったりすることもあるので、ワンサイズ小さめのカニューレも準備しておくと安心です。
カニューレホルダー(カニューレバンド)
カニューレホルダーは手作り派の人もサイズ調整が可能な市販のものを準備しておくと安心!
万が一の時に「サイズが合わなくなって使えない…」なんて事態になったら困りますもんね💦
市販品の中では、これがイチ押しです。
気管切開カニューレホルダー H84102411 小児用 1箱(10本入) 価格:7,430円 |
マジックテープが外れにくいので事故抜管のリスクを減らせます。
肌にあたる部分もふわふわで、皮膚がこすれにくいみたいです。
普段はわが家も手作り派ですが、どうしてもという時(入院中とか)はこちらを愛用しています。
Yガーゼはひと箱(50枚程度)ストックを!
気切孔から噴き出た痰を受け止めるYガーゼ。
汚れたままにしておくと、皮膚が荒れてしまったり、そこからばい菌が入ってしまったりすることもあるので、清潔なものに適宜取り換える必要があります。
わが家では通常、吸入後や入浴後のタイミングで一日3回ガーゼを交換していますが、体調によってはそれ以上になることもあります。
滅菌Yカットガーゼ(不織布タイプ) 7.5cmx7.5cm 8ply 1枚入(50袋) SCC308-1 19078 オオサキメディカル【返品不可】 価格:1,350円 |
滅菌済みの個包装になっているものを選ぶと使いやすいですよ。
人工鼻は普段から少しずつストック
痰が多い時は、咳1回でダメにしてしまう人工鼻。
普段からストックが足りない~と困っている方も多いようですね。
人工鼻は比較的高価なので(1個300円~)、ふだんから少しずつストックしておくか、小児慢性の制度を使って多めに購入しておくといいと思います。
普段の外出と同じように、清潔なポーチになどに人工鼻を入れておくと忘れないと思います。
手指消毒は、ノロウイルスにも効くものを
新型コロナウイルスの感染対策として、アルコール系の手指消毒がたくさん店頭に並んでいますが、アルコールはノロウイルスには効果がありません。
可能であれば、インフルエンザやコロナウイルスだけでなく、ノロウイルスにも対応した消毒を使用されることをおすすめします。
私がずっと愛用しているのがこちら。チャーミストです。
詳しい紹介記事はこちら。
災害時持ち出し品はリュックか斜め掛けショルダーへ!
ご紹介してきたような災害対策グッズを持ち出す際は、手がふさがらないリュックか、斜め掛けのショルダーバッグがおすすめです。
私自身はショルダーバッグ派。
移動中でも、斜め掛けしたままバッグの口をがばっと開けて、使うものだけ取り出せるので便利ですよ。
まとめ
- 停電時でも使える吸引器・吸入器は必須
- ケアに必要なグッズは日ごろからどのくらい必要か把握してストック
- 手指消毒・感染対策グッズ忘れずに
日ごろ行う医療的ケアの内容によって、避難時に必要な物品の内容はさまざまです。
災害用に必要な物品の中には、医師の処方が必要なものが含まれることもあります。
一度は災害対策について主治医とも相談して、あらかじめ必要な持ち出し品を準備しておきましょう!