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コーチング

子どもが『子ども相談室』を使いたくないと感じた理由とは?共感の重要性を解説

子ども相談室を使った子が「もう相談したくない!」って言ってます…。一体どうして?

子どもが無料で気軽に悩み事を相談できる「子ども相談室」。
自治体やNPO、職能団体など、様々なところで子どもを守るための相談窓口が設けられています。

今は電話だけでなく、LINEなどのSNSでも相談することができるので、子どもたちにとってはより使いやすくなったのではないかと思います。

しかし、「子ども相談室」を利用した子どもから、「もう二度と使いたくない」との声を聴くこともあります。

今回お話を聞かせてくれた子は、チャットの子ども相談を利用したのですが、「優しくない」「もう話したくない」と感じ、退出してしまったそうです。
その時のやりとりを見せてもらうと、相談する側のもどかしい気持ちも、相談される側のスタッフの「力になりたい」という気持ちもとても伝わってきました。

それなのになぜ、子どもは「もう話したくない」と感じてしまったんでしょう。

私はその答えの1つとして、お互いの心をつなぐ「共感」にカギがあるのではないかと思っています。

今回は子どもの話を聞くうえで絶対に欠かせない「共感」について、お子さんの話をもとに一緒に考えてみたいと思います^^

「相談したくない」と感じた子どもの思い

子どもたちにとって「大人」に相談するというのはとても勇気のいることです。

「こんな話してよかったのかな?」
「ちゃんと分かってくれるかな?」

そんな不安や緊張を多少なりとも抱えながら、時間を作って相談者に会いに来てくれているわけなんですね。裏返すと「ここでなら分かってくれるかも」「助けてくれるかも」という期待があるんです。
だからこそ、ちょっとでも「この人は味方になってくれないかも」と感じると、心を閉ざしたくなってしまうんですね。

子どもたちって、ただ問題の解決策を求めているだけでなく、誰かに自分の気持ちを理解し、寄り添ってもらいたいと思っています。

「共感」を感じられないと「聞いてもらっていない」「自分の気持ちは軽んじられている」と受け取って、もう話したくない!という抵抗感が生まれてしまいうんですね。

相談したのにかえって子どもは孤独を感じてしまうので、次の相談の機会も逃してしまう。とても寂しいことですよね。

相談スタッフの伝わらなかった想い

では、今回のケースで相談スタッフの対応は「もう相談したくない」と思わせるほどひどかったのか?

それは私は違うと思っています。相談者である子どもへの「力になりたい」という思いが少しすれ違ってしまっただけ。なぜ、その思いが伝わらなかったのか、要因を考えてみました。

感情を共有するための情報が不足していた

子ども相談のスタッフは、限られたやり取りの中で子どもの感情や背景を理解しなければならないと想像しています。短時間で子どもの状況をすべて把握することは難しく、十分な共感を示すために必要な情報が不足していたのかもしれません。

客観的な視点を保つため

相談のスタッフは共感を示しながらも、同時にプロフェッショナルな距離感を保つ必要があります。感情的に深く入り込みすぎると、問題を客観的にとらえられなくなる恐れもあるからです。それが子どもから見ると「冷たい」「共感してもらえない」と感じられてしまうのかもしれません。

問題解決に焦点を当てすぎた

相談スタッフは、問題を解決することに意識を集中しすぎたため、感情への寄り添いが不足してしまった可能性もあります。子どもが困っている状況に対して、早急に解決策を提示しようとするあまり、子どもの感情を十分に汲み取る時間が取れなかったかもしれません。

これらの対応は、スタッフの「子どもを助けたい」という思いから来るものですが、子どもにとっては「自分の気持ちがわかってもらえていない」と感じる要素になることがあります。寄り添いがなかったというわけではないのでしょうが、子どもの問題解決を第一に考えた結果、共感が後回しになってしまったのかなぁ…と想像しています。

心をつなぐ共感とは?

共感とは、相手の気持ちに寄り添い、勇気を与えること。

例えば、子どもが学校でうまくいかないことを話したとします。「授業がわからなくてつまらない」といった言葉を聞いたとき、ついアドバイスをしたくなったり、「もっと頑張りなさい」と言いたくなるかもしれません。

でも、共感を示すためには、まずは子どもの話を遮らず、しっかりと耳を傾け、その気持ちを認めてあげることが大切です。子どもの立場に立って、その感情を理解しようとする姿勢が共感の第一歩だからです。

私は共感は「子どもに勇気を与える力」と思っているので、「共に感じ」ながらも、その人が自分で問題を乗り越えられると信じることも大切にしたいです。だからこそ、共感したその先も、ちゃんと子どもの味方でいて、心を一人ぼっちにさせない!という覚悟をもって聞いていきたいと思っています。

子どもへの共感の示し方

共感は子どもの失敗や困難も「無条件に受け入れること」から始まります。

例えば、子どもが「宿題が全然できなかった」と悩んでいたときに、「できなくて大変だったんだね」「できなくても、あなたの頑張りをちゃんと見てるよ」と、子どもの努力や気持ちにフォーカスすることで、子どもは自分が受け入れられていると感じ、安心して話を続けられます。

子どもが「もう相談したくない」と感じた理由の一つである「共感の欠如」を解消するには、親や支援者が「子どもが受け取れる形」で共感を示すことがポイントとなります。

ただ「わかるよ」と言うだけでなく、子どもの感情に本当に寄り添い、その痛みや不安を一緒に感じること。

共感的な対応のポイントは、子どもの感情を否定しないことです。どんな小さなことでも、子どもにとっては大きな問題です。親や支援者はその重みを理解し、適切に共感を示すことが大切です。

「何でも話したい」と思ってもらうために

初対面の相談員が、子どもに「何でも話したい」と思ってもらうためには、いくつかの重要なアプローチがあります。以下に具体的な方法を挙げてみますね。

1. 最初に信頼を築くために安心感を与える

子どもが初対面の相談員に心を開くためには、「この人なら安心して話せる」と感じることが必要です。まずは、相談員自身がリラックスした雰囲気を作ること。

「こんにちは、今日は会えて嬉しいです」とか、子どもがほっとするような一言を伝えたいですね。

2. 相手のペースに合わせる

初対面の相談員が急いで話を進めてしまうと、子どもは不安やプレッシャーを感じてしまうことがあります。子どもが話しやすいペースを尊重し、無理に質問をせずに、相手が自然に話を始められるタイミングを待つことが大切です。焦らず、子どもの沈黙も大事な一部と捉え、安心感を与え続けることが信頼を築くポイントです。

「焦らなくて大丈夫だよ。いつでもあなたのペースで話してくれていいよ。」って伝えてあげてほしいです。

3. 共感的な聴き方を実践する

アドラー心理学でも重視される「共感」は、子どもとの信頼関係を築くための最も重要な要素です。共感的に話を聞くことで、子どもは「この人は自分の気持ちを理解してくれる」と感じ、心を開くようになります。相談員は、子どもの話に対して「そうなんだね、それはつらかったね」と気持ちに寄り添い、子どもの感情を受け止める姿勢を持ちます。

「そんなことがあったんだね。それはすごくつらい気持ちだったよね」と寄り添って。

4. 判断せず、否定しない態度を示す

子どもが初対面の相談員に対して不安を感じる原因のひとつは、「自分の話が否定されるかもしれない」という恐れです。相談員は、子どもの話に対して決して批判的な態度を取らず、「どんな話でも大丈夫だよ」という安心感を与えることが大切です。子どもがどんな内容を話しても、判断や評価を挟まずに「話してくれてありがとう」という姿勢を示しましょう。

「その気持ち、わかるよ。そう思うのは自然なことだと思うよ。」

5. プライバシーを大切にする姿勢を示す

「ここで話したことは安全だよ」と子どもに伝え、プライバシーが守られることを明確に示すことで、子どもは安心して個人的な内容を話せるようになります。

「ここで話したことは、あなたが話してもいいと思ったこと以外は、外には出さないよ。安心して話してね」

一つ一つは小さなことかもしれませんが、子どもたちが受け取りやすい言葉を例として挙げてみましたので、よかったら試してみてくださいね。

まとめ

子どもが大人に対して「もう相談したくない」と感じる理由の一つは、「共感」の欠如が遠因となっていることが多いです。「何でも話したい」と思ってもらうためには、まず安心感を与えることが大切なので、焦らずに子どものペースに合わせることで、子どもも心を開くっ準備ができるのではないでしょうか。

共感的に話を聞くときのコツは、決して子どもの思いを批判したり否定したりせず、どんな話でも受け入れる姿勢を示すことがほんとに大切です!子どもに心からの共感を示すことで、子どもは自分の存在が肯定され、さらに自分の問題に向き合う力がついていきます。

そして最後に。相談される側の私たち大人も自分に対して共感してあげることも大切にしてほしいです。自分自身の気持ちや感情を無視せず、「私はこれでいいんだ」「この状況で精一杯頑張っている」と自分を肯定し、認めてあげることも、共感の一環です。

大人が自分に共感を示し、自分を大切にすることで、子どもにも同じように共感を持って接することができるようになると思います。

共感的な聞き方や、子どもの思いを大切にできるコーチングを身に着けたい方は、コーチコースにぜひお越しください。一緒に子どもたちを応援していきましょう♪

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