子どもと先生の相性がどうも合わないみたい…
親としては、どうしたらいいんだろう?
学校は日々の大部分を過ごす場所。
原因がどのようなことであれ、学校生活を十分に楽しめていない子どもを見ると、母親として心配が募るのは当然です。
ことに、先生との関係がスムーズでない場合、子どもが様々な場面で心の負担を感じることが多いでしょう。
「何がうまくいっていないんだろう?」「先生と子どもの相性が悪いのかも?」など、いろいろな不安が浮かんでくるかもしれません。
しかし、一方的にどちらかを「悪い」「良い」と決めつけるのではなく、当事者である子どもがどのような気持ちでいるのか、そしてどうやって親としてこの状況をサポートできるのかを考えることがまずは大切です。
子どもの思いを尊重して、大人が一方的な解決に導かない。
そうした親からのサポートがあれば、子どもも安心して状況を改善しようとする意欲が湧いてくるでしょう。
この記事では、母親としてどのように子どもに寄り添い、サポートしていくかについて、クライアントさんからの相談をもとに具体的な方法をお伝えします。
(相談内容の掲載の了承を得ています)
子どもが先生とうまくいかない理由は?
子どもが先生とうまくいかないと感じる理由は実に様々だなぁと感じます。
先生からの誤解や、お互いのコミュニケーション不足が原因のこともあるし、先生が無意識に発している言葉や態度が子どもたちの負担になっていることもあります。
また、子どもが学校生活そのものに不安を感じており、敏感に先生の言動に反応してしまっていることもあります。
最近、相談をいただいた方のお子さんは、このようなことでお悩みでした。
- 先生が失敗したことを生徒のせいにする
- 先生の気分でルールがころころ変わり、振り回される
- 理由も聞かず子どもが悪いと決めつける
- 何かにつけ連帯責任とされ、グループの関係が悪くなる
- 成果でしか物事を見ないので、苦手なものがますます嫌いに
- 先生の意向に沿わない意見は切り捨てられるので意見が言えない
そのお子さんは先生との関係に悩み、家に帰ってきてからも涙することが増え、「学校へ行きたくない」という発言が聞かれるようになったそうです。なかなか気持ちの切り替えも難しく、明らかに勉強のやる気も落ちてしまっているとのこと。
このようなことを子どもから聞かさせれたら、どうでしょうか。
多くの親は冷静でいられないと思います。
「うちの子に何してくれてんだ!!」と、怒りの方が先にわいてくるのではないでしょうか。私も同じような経験がありますので、たとえようもない悔しさはよく分かります。
ただ、この時に母親としての不安や怒りを暴走させてしまうと、早期の解決が難しくなってしまうことも…
こうした状況でまずやるべきことは、まず子どもが何を感じ、どんなところで悩んでいるのかをできるだけ正確に知ろうとすることです。
子どもが話しやすい場を作り、子どもの気持ちに寄り添いながら話を進めることが、問題の本質を理解するための第一歩となります。
子どもに寄り添うコミュニケーションのコツ
子どもが先生との関係に悩んでいるとき、親が最初にできることは、子どもの気持ちを100%受け止めて共感することです。
子どもは自分の感情をうまく表現できないことが多いため、親がじっくりと話を聞き、子どもがリラックスできる環境を整えることが重要です。リビングで一緒に過ごしたりしながら、自然な流れで「学校で何か困っていることがある?」と問いかけると、子どもも安心して話しやすいようです^^
子どもの話を聞くときに、子どもたちが負担なく、より繊細な気持ちも伝えることができるツール、「ピットインカード」があると、ことが起こった時の状況をより詳しく説明できたり、言葉で伝えづらい本音が伝えやすくなったりします。
子どもが自分の気持ちを安心して表現できる空間を作ること。
子どもの話を遮らずに全部聞いて、丸ごと受け止めること。
話を聞くうえで、こういったことはとても大切ですが、一番重要なのはその子がこの問題をどうしたいと考えているかです。親の思うゴールではなくて、子どもが思う最高のゴール。その子はどうなったら、ますます学校生活が楽しめるんだろう?
ここまでを子どもの気持ちに寄り添いながら聞いていきます。
必要であれば、事態の全体像を把握するために、子どものお友達や他の保護者、学校の支援員などから話を聞いて情報を集めるのも大切なことかと思います。
子どもが話す内容は、子どものフィルターを通して出来事が語られているので、子どもなりの解釈が入っていることが多いです。(先生側もしかりですが)
なので、子どもの「気持ち」と「事実」は必ずしも100%一致しているとは限らない、ということを心にとめておきましょう。
親が先生にアプローチする際のステップ
子どもの悩みを理解した後、次に母親が行うべきは、問題解決にどう関わるかです。
いろいろなやり方があるかと思いますが、複数のステップを設定していく方法が取り組みやすいかと思います。
ステップ1:先生に協力を仰ぐ
まずは当事者の先生の協力を仰ぐこと。先生に味方になってもらうこと。
というと、「どうして?!」と、気持ちの上でどこか拒否したくなるようなものが出てくるかもしれません。うちの子が嫌な思いをしているのに、なぜこっちが下手に出なきゃいけないの?!って。
でも、感情的に巻き込まれた状態のまま話し合いにもつれ込んでしまうと、「親の感情をなだめる話し合い」になってしまいます。本当の目的はそうではないですよね?
今回、相談いただいたお子さんは「楽しく学校で勉強したい。嫌だって思いたくない。」と願っています。
そして、クライアントさん(お母さん)は、子どもの心を守りたい、先生との関わりで自信を失ってほしくないし、学校生活をのびのびと楽しんでほしい、と思っています。
だからこそ、子どもの成長や学校生活をより良くするための協力者として、先生との対話を進めていくことが必要なんです。
話し合いの時には、以下のポイントを意識すると良いかと思います。
- 子どもが困っていることを具体的に伝え、事実の確認
- 先生のできていないところではなくて、できているところと感謝を伝える
- 親の思い(先生との価値観の共有ゾーンがあればそこを踏まえつつ)
- 先生へのリクエスト
ここで気をつけたいのが、先生の人格を否定するような言葉をぜったいに使わないということ。先生のメンツやプライドを潰さないこと。
(逆のことをされたら、私たちもかなり嫌!ですよね💦)
先生とは対立したいわけではなく、協力していきたいわけですから、一緒に考える姿勢を持つことが大切です。
子どもの成長を共にサポートしたい、という思いはおそらく親も先生も同じはず。
私たちはワンチーム、という姿勢で話し合いができれば、それだけで解決に向けて大きく進むこともあります。
ステップ2:管理職に相談する
話し合いの後も問題が解決しない場合は、教務主任や校長先生などに相談してみましょう。クライアントさんのケースでは、一時的に関係が改善したように見えたものの、長期休みがおわってから、また泣きながら帰ってくることが増えたとのことで、管理職への相談に至りました。
過去の先生との話し合いの内容はおそらく共有されているかと思いますが、改めて事実の共有を行うと、管理職も状況を把握しやすいでしょう。
この時も先生を悪者にしてしまうのではなく、解決に向けて力を貸してほしい、協力者になってほしいというスタンスが良いのではと思います。
親や、先生や、子どものサポーターたちは、子どもを中心としたワンチーム。校長先生、担任の先生をはじめ、子どもと関わる人それぞれに役割があります。そして、一人一人の強みも違います。
クライアントさんは、話し合いのポイントを踏まえながら、校長・教頭先生と建設的な話し合いができた!とひとまずは手ごたえを感じられたようでした。
ただ、中立的な立場を心がけたあまり、「うちの子の辛さがちゃんと伝わったんだろうか…」「ホントはもっと言いたいことがいっぱいあったのに…」と、不全感もあったそうです。でも、私としては素晴らしい対応だったんじゃないかなと思います。
管理職である校長先生と教頭先生が、まずはお子さんの困りごとを理解してくれたこと。
「学校生活を楽しく送ってほしい」という思いは親も教師も同じであることが確認できたこと。
ここからは、さらに協力体制をどう進めていくかを、管理職ともこまめに共有していくそうです^^
子どもの心を守り、成長につなげる
私たちが忘れてはいけないこと。
それは、親がこうして学校との調整を図っている間にも、子どもの学校生活は続いている、ということ。
子どもにとって、悩みを抱えながらの学校生活は、大きなストレスになったり、パフォーマンスが落ちたりして、ますます勇気や自信が削られてしまいます。。
だからこそ、現在進行形で傷ついたり、憤ったり、落ち込んだりしている子どもの心を守ることを最優先にしたいんです。
そのためにも、子どもの話をしっかり聞いて、気持ちを出し切ってもらうこと。
どんなあたたもOKなんだって、その子を信じて、応援していることを伝えること。
その上で、プラスアルファとして現実的な対処法を子どもに提案してみることもいいんじゃないかと思います。考え方のヒントでもいいし、気分転換的なことでも、まずはいろいろ上げてみましょう♪
例えば今回は、こんなことをクライアントさんと話し合いました。
- 苦手だなって思う相手と仲良くなる方法
- 先生も自分もガマンしない意見の伝え方
- 減ってしまった自信を回復させる方法
- クラスでヒーローになれることの見つけ方
こうしたことを親がサポートしてあげられるようになると、子どもたちはもっと親を信頼していろんなことを話してくれるようになるし、「こんなやりかたもあるんだ!」と視点も広がります。
つまり、お子さんの成長のチャンスにすることもできるんです。
お子さんへのコーチングを通して、子どもが自分の意見をうまく表現できる力を育むこともできますので、親子でコーチングを受けたり、コーチングの考え方を身に着けたりすることは、お子さんにとって将来的に大きな財産になると思います。
まとめ
子どもが学校の先生とうまくいかないとき、親としてはとても心配になるものです。
しかし、まずは子どもの気持ちに寄り添い、その感情をしっかり受け止めてあげることが大切です。
また先生に対しても、「敵」ではなく「協力者」という認識で、協力的を仰ぐ姿勢を見せることで、学校との連携がスムーズになり、子どもの学校生活もより良いものに改善されるでしょう。
家庭では子どもの自信を育むサポートを行い、子どもが自分の気持ちを表現できる力を養うことが、最終的には子どもが学校の問題を自ら乗り越える力に繋がります。
母親としての寄り添いが、子どもの安心感や自信に大きく影響するため、適切なサポートを提供していくことが大切です。
子どもたちをサポートしたい、いつでも子どもの未来を応援できる「コーチング」を身に着けたい方には、コーチになるためのコースでしっかり学んでみるのもおすすめですよ。